桜の頃
毎年 届けられる 桜の開花のニュースは
日本列島をかけめぐり 今か 今かと心が躍る
こんなにも待ち望まれるお花はないでしょう
美しい薄桃色の あるい白に近い花びらに それぞれの想いは
何処にいくのでしょうか
儚い命にも似た桜の花は
咲き誇り また潔く散っていくのです
数年前の春を思い出す いや 何十年前の桜を思い出す
脳裏に張り付いた映像はちょっと肌寒い夜
心は躍りながら ちょっぴり寂しかった
儚い時の思い出づくりに 幼い子供の手を引いて
母さんライオンは 素敵な夜桜を見せるために
帰りの電車を遅らせて 最終新幹線に乗れるように
夕暮れ時をやり過ごしたのだ
東京タワーが新幹線の0系みたいに
ノスタルジックだけど
ずっと空けずにいた宝石箱みたいに
なつかしい 新鮮な感動を運んでくる
桜の頃
ちょっと切ない やさしい思い出
今では きっと 思い出すことは少ないけれど
ちょっと痛い決意と共に 時の中で 真っ只中で
私も桜の花びらの ひとひらだったのかもしれない
そう
あれは桜の頃
愛おしい幼子の手を引いて
ホテルのガーデンで食べた ポテトとお寿司が
ちょっとだけお土産気分だった
桜の木に囲まれて
ガラス張りのお部屋で・・
桜の木々に見つめられていた
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